山手の近代文学館で開催されていた
ポール・クローデルの展示を観に行って来ました。
姉で彫刻家のカミーユは繊細な天才ゆえに発狂してしまいましたが、
同じく(もしくはそれ以上に)才能の豊かさと知性、社交性を兼ね備えた
弟のポールは、詩人、劇作家、外交官として活躍し、
最後はノートルダム寺院で国葬されています。
ロマン・ロラン、アンドレ・ジッド、
イダ・ルビンシュタインにニジンスキー、
ジャン=ルイ・バローと文化的交流を結び、
ド・ゴールの命で国家評議会会員へ。
日本では能と歌舞伎に親しみ、渋沢栄一と日仏会館発足と、
とにかく出てくる交友関係が凄過ぎ。
駐日大使時代は狩野派の画家と親しくしていたようで、
展示されていた冨田溪仙の絵にフランス語の詩を書き加えた
ジャポニズム溢れる作品など、かなり素敵でした。
外見はお腹が出てる髭のダンディな異人さん。
大正ロマン薫る日本で皆に親しまれた事は容易に想像できます。
ポールは青年の頃、ノートルダム寺院で啓示を受けてるんですね。
驚異的な行動力の根本にカトリシズムの影響があったのでしょう。
あらゆる意味で興味深い展示でした。
猛暑日に横浜くんだり。でも観てよかった!
http://www.kanabun.or.jp/exhibition/7219